本文へ移動

    COLUMN

変圧器の仕組み ②

2022-09-12
柱上変圧器の中身
前回、フタを開けた中には絶縁処理されたコイルや鉄心があり、絶縁油で満たされていると説明しました。

実際に中を見てみましょう。
この褐色の油が絶縁油です。
絶縁油は言わずもがな、電気を通さないために必要な油です。 
(※ちなみに絶縁油が入っておらず、冷却水や空気で冷却する変圧器もあります)

従来の絶縁油にはPCBが使用されていましたが、環境や人体への悪影響から、現在では使用されていません。

絶縁油の他にコイルと鉄心が入っていますが、これらの電磁誘導を利用して、6,600Vの電圧を100Vに変換しています。
それでは、変圧器がどのように電圧を変換しているかを見ていきましょう。
柱上変圧器の基本構造は非常にシンプルです。

鉄心に導線がたくさん巻いてある1次コイル(高圧コイル)と、少ない巻き数の2次コイル(低圧コイル)、
巻き数が異なるこれら2つのコイルを組み合わせて、取り出す電圧の大きさを自由に変えています。

入力側である1次コイル(高圧コイル)に電圧を加えると、電流が流れ鉄心中に磁束が発生します。
発生した磁束は鉄心を通り、2次コイル(低圧コイル)へ 鎖交します。これは「電磁誘導」によるものです。

コイルには、鎖交する磁束が変化すると、電圧が発生するという性質があります。
ファラデーの法則、でピンと来る方もいらっしゃるかもしれません。

この性質により、出力側の2次コイルへと電圧が誘導され、再度交流電流に変換され出力されます。

そして100Vの電圧となって、私たちの家庭へ届きます。



以上が変圧のプロセスです。

普段私達が何気なく目にしている変圧器は、実は私達の当たり前の生活を成立させる、とても重要な役割を担っています。


*


さて、去年から1年以上も引っ張った変圧器のしくみについてのコラムは、これで一旦終わりにします。


今年の夏は特に暑く、早い時期からエアコンを稼働させていたお家やオフィスも多かったのではないでしょうか。
節電要請等もあり、電気について考える機会もあったかと思います。


電気を安全に安定供給するためには、沢山の設備と工夫があることを少しでもお伝えできていればうれしいです。

それではまた次回お会いしましょう!


       ご案内
TOPへ戻る